本文
目次へ戻る
A. 放射線は受ける量によって人体(健康)への影響は異なります。子供は大人より2~3倍影響を受けやすいと言われています。
一度に大量の放射線(約数百mSv(ミリ・シーベルト)以上)を受けた場合、白内障、一時的脱毛、不妊、造血機能の低下、嘔吐、下痢、皮膚の発赤などの障害やがんの発生をもたらします。少量(100mSv(ミリ・シーベルト)未満)では、科学的に示されてはいないものの影響がないとは言いきれず、がんで死亡するリスクは放射線量に比例して高まるという仮定の下に基準などは定められています。
メニスカスを上げるようにする方法
人体は多くの細胞からできていて、健康な細胞は細胞分裂を繰り返しています。しかし、一度に大量の放射線が細胞にあたると、細胞が死ぬ、または細胞分裂が遅れます。このため、細胞分裂が盛んな組織である骨髄、生殖腺、腸管、皮膚などに一度に大量の放射線(約数百mSv(ミリ・シーベルト)以上)を受けた場合、数週間以内に障害が起きることになります。
少量でも長期的に一定量の放射線を受けることで、造血器官などの細胞の中のDNAなどの遺伝物質が損傷し、修復能力が追いつかず、がんや白血病などになることもあります。原爆被ばく生存者調査結果によれば、100mSv(ミリ・シーベルト)の被ばくによりがんによる生涯死亡リスクが0.
女性は肥沃な方法多くの月の日数です。5%増えるとされています。()
一時的であれ、例えば5年間であれ、その期間の合計で100mSv(ミリ・シーベルト)以下の低線量被ばくでは疫学的・統計的に健康影響があることは示されていませんが、ICRP(国際放射線防護委員会)*が放射線防護の観点から採り入れている「低線量でも影響があるという仮説(LNT仮説)」にもとづけば、健康影響がないとも言いきれません。ただし、低線量被ばくの健康影響については専門家の間でも様々な考え方の違いがあります(図6)。
*ICRP(国際放射線防護委員会):専門家の立場から放射線防護に関する勧告を行う国際学術組織
犬のサニタリー製品からC型肝炎を縮小することができます
1は、先ほど述べた「直線しきい値なし仮説(LNT仮説)」と呼ばれ、国際放射線防護委員会(ICRP)や、米国科学アカデミー(BEIR)などで提唱されている考え方で、高線量域(200mSv以上)における放射線量とがんの発生率の増加の関係を、低線量域にもそのまま延長し、100mSv以下であっても、放射線量の増加に比例してがんの発生率が上昇するとし、がんのリスクがゼロになる安全な線量(しきい値)はないと仮定する考え方です。
2のようにECRR(欧州放射線リスク委員会)のように上に凸とする考え方や、3のように低線量でDNAの損傷が少ない場合にはその修復が有効に働き、下に凸となるとする考え方もあります。
こうした考え方に対し、4はフランス科学・医学アカデミーにおいて提唱されている考え方で、中国やインドの自然放射線量が高い地域でがんの発生率の増加が見られないことや放射線により誘発される肉腫は低線量では発生しないこと等から、がんにはリスクがゼロとなる安全な線量(しきい値)があるとする考え方です。
一方、5のようにいくつかの動物実験では、低線量の放射線が寿命を延ばすことができるというホルミシスといわれる効果を示す結果もありますが、逆の結果も得られており現在のところよく分かっていません。
(出典:食品安全委員会:放射性物質を含む食品による健康影響に関するQ&A P.
)
(出典:「虎の巻 低線量被ばくと健康影響(医療科学社刊)P.44~47」より抜粋・改編)
がんや白血病などの病気が発症するかどうかや、発症時期は人によって差があります。 またこうした放射線の影響は、大人よりも細胞分裂が活発な乳幼児・子供・妊産婦(胎児)のほうが2~3倍受けやすくなるとされています。《出典:Preston.et.al, Studies of Mortality of Atomic Bomb Survivors. Report 13: Solid Cancer and Noncancer Disease Mortality: 1950–1997.Radiat.Res. 160, 381–407 (2003)》
このため日本産婦人科学会では、米国産婦人科学会と同じ立場をとり、胎児に悪影響が出るのは、胎児被ばく量が50mSv(ミリ・シーベルト)以上の場合と述べています。詳しくはこちらをご覧ください。
()
図6 低線量における健康影響についての様々な考え方(文献等をもとに独自作成)
まとめると図7のようになります。「確定的影響」とは、ある被ばく量以下であれば出現しない影響をいいます。また、このときの被ばく量を「しきい値」といいます。
「確率的影響」とは被ばく量の増加に伴い発生確率が増加する影響で、しきい値はないとされています。「遺伝的影響」は原爆被ばく者の調査では確認されていません。
(出典:消費者庁「食品と放射能」及び(財)原子力安全研究協会「緊急被ばく医療の基礎知識」を改編)
図7 放射線の人体(健康)への影響
図8 身の回りの放射線被ばく
(出典:放射線医学総合研究所 を基に改編)
図9 放射線被ばく量と健康影響
(出典:数値は国連放射線影響科学委員会(UNSCEAR)2000年報告による)
保健医療部 健康長寿課 Tel:048-830-3575
目次へ戻る
次の項目へ進む
0 件のコメント:
コメントを投稿