2012年4月28日土曜日
ドクター江部の糖尿病徒然日記 糖質制限食の効果・沖縄徳洲会こくらクリニック・渡辺信幸先生
沖縄徳洲会こくらクリニック 渡辺信幸先生から、糖質制限食の効果という、コメントをいただきました。
【糖質制限食の効果。
こんにちは。沖縄の渡辺信幸です。本日外来通院中の患者さんから、先生のブログに私が掲載されていると聞き、喜んでいます。
以前より先生の著作や、ブログを参考にさせていただき、5年ほど前から低炭水化物指導をしています。先生もご指摘の通り、高血圧、高尿酸結晶、脂質異常症、糖尿病、不眠、うつ病の患者さんへの驚くべき効果があります。
炭水化物を減らすと、必然的に、高蛋白、高脂肪食になります。(もちろん両者とも動物性を勧めています)。その時にでてくるのが、「肉を食べる と、癌になったり、血液がドロドロになる」、「卵を食べるとコレステロールが増える」、「玄米菜食の粗食が体にいい」などの、科学的に根拠のない迷信なのです。
肥満を支援する方法
特に沖縄県内は、日本一のメタボ島になったせいか、このような間違った迷信による指導が今も続き、「糖尿病の人は、肉や卵を減らして、米と野菜 を食べなさい」といった指導が現在も多くの病院でなされているのが現状です。未だに、肉は週に一回、卵は二日に一回などなど。(そのせいで肥満、糖尿病が 増え続けているのですが)。
私の診療経験では、炭水化物を中心とした粗食が、様々な疾患を引き起こすことは明らかなのですが、まだまだ肉食、食の欧米化に対する偏見が多く、困っている状況です。とくに豚肉食の文化のある沖縄の皆さんに対して、特に肉食を忌避する指導が強いように思われます。
今回は、「チョコさん」の御縁で先生に御連絡できることを感謝します。「チョコさん」ありがとうございます。
江部先生には是非一度沖縄にお呼びして、討論会でも企画させていただきたいと考えています。また日を改めて、ご連絡差し上げます。これからも低炭水化物食の御指導をよろしくお願いします。
沖縄徳洲会こくらクリニック 渡辺信幸
大学ウィスコンシン大学マディソン運動障害クリニック
よろしければ、私は、低炭水化物食の指導をローカルFM局で放送していますので録画ではありますが、是非ご覧になってください。できれば、ご感想、御指導などもお待ちしています。
】
渡辺信幸 先生
拙著のご購入ありがとうございます。
先生のご意見に、私も全く同感です。 (^^)
米国では1970年代から、脂質摂取が良くないというキャンペーンが始まりました。
特に1977年、米国初の公的食生活ガイドライン(DGAC)が発表されて、
「炭水化物の摂取比率を増やし、脂質摂取比率を減らせ。」 「飽和脂肪酸、コレステロール、塩分の摂取を減らせ。」
という方針が明示されました。
その結果、 1971年 2000年
脂質摂取比率 36.9% 32.8%
糖質摂取比率 42.4% 49.0%
と30年かけて、見事に目標は達成されたのです。
疼痛管理スタンフォードCT
しかし、肝腎の病気の方は、脂質が減少して糖質が増加したのに、肥満倍増、糖尿病も激増という悲惨な結果となったのです。米国では、その悲惨な状況は2000年以降もそのまま続いています。
日本でも、「戦後糖質摂取が減り続け、脂質摂取が増え続けた」というのが従来の説ですが、実際には、1965年から1980年までだけがその通りなのです。
1945年から1965年までは、終戦後で貧乏だったので、安価な炭水化物中心の食生活が続いていました。炭水化物の摂取比率は80%くらいでした。
いわゆる高度経済成長が始まってしばらくして、経済的に豊かになった1965年から1980年まで約15年間
「戦後糖質摂取が減り続け、脂質摂取が増え続けた」わけです。
1980年からの10数年間は、脂質・糖質・タンパク質の摂取比率はあまり変化がありません。
そして、1997年からは、脂質摂取比率は減少しはじめ、糖質摂取比率は増加してきました。
脂質は減少し、糖質は増加してこの間、糖尿病・肥満は激増しています。
結局、日本も米国と一緒ですね。
【江部先生には是非一度沖縄にお呼び して、討論会でも企画させていただきたいと考えています。また日を改めて、ご連絡差し上げます。】
とても嬉しいご提案です。(⌒o⌒)v
是非、沖縄で糖質制限食のシンポジウムなどご企画いただけば、喜んで参上致します。
渡辺先生、宜しくお願い申し上げます。 m(_ _)m
江部康二
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